弥生時代の卑弥呼の食事は噛む回数が現代の食事の6倍だったそうです。おそらくひみこはよい歯や歯ぐきをしていたという想定から、「ひみこのはがいーぜ」というキャッチフレーズは生まれました。よく噛むとなぜよいか、子どもたちに覚えてもらい、もっとよく噛まなければと思ってもらえるようにとの願いが込められています。
よく噛まないで食べると、食事が早くなり、満腹感を得るまでにたくさん食べなくてはならなくなって、過食につながります。よく噛むことで、食べ物を十分に摂取したという満足感が得られ、肥満を防ぐことができます。
よく噛むと素材そのものの味がよくわかるようになり、子どもたちの味覚の発達につながります。
よく噛むことで、顎が発達し、歯が正しくはえそろって、かみ合わせもよくなります。そのため、自然に、正しい口の開き方ができ、正しい発音ができるようになるといわれています。
ねずみの実験で、固形食を与えられたねずみと粉末食を与えられたねずみでは、固形食を与えられたねずみのほうが条件回避学習の成績がよかったそうです。また、咬合力の強い子ほど、幾何図形のテストの点数が高いことを示すデータもあります。
よく噛むと顎が発達するので、歯がきれいに生えます。また、歯の根がぐっとはって磨きやすくなり、むし歯を予防し、歯垢もたまらないので、歯周炎も防ぎ、歯槽のうろうの予防にもなります。
発がん物質は唾液に30秒つけておくと毒消しの効果があるそうです。よく噛むと唾液がよく出て、食物と混ざり、がん予防に役立ちます。
よく噛むことは消化吸収をよくし、胃腸の働きを活発にします。
歯並びと運動能力には関係があることがわかっています。実業団のトップクラスの選手と一般のサラリーマンに対して行った健康調査ではスポーツ選手は歯並びが「良い」人が「悪い」人を上回っているのにたいし、一般の人は歯並びが「良い」より「悪い」が多くなっていたそうです。全力投球するうえでの歯の大切さがわかるデータです。